コラム:絶対的支柱の気骨 | ユベントス・ジャーナル

コラム:絶対的支柱の気骨

コラム:絶対的支柱の気骨

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 GKジャンルイジ・ブッフォンはUEFA(欧州サッカー連盟)のインタビューに対し「内緒にしていた話をしようか」と切り出した。ユベントスの絶対的守護神はUCL(欧州チャンピオンズリーグ)ベスト16、モナコ対マンチェスター・シティとの試合をテレビ観戦していたようだ。

 試合の途中、クラブの幹部に「モナコは本当に強いね。このまま決勝まで勝ち上がるんじゃないかな」とメールを送ったそうだ。

 彼らはグループステージでバイエル・レバークーゼン、トットナム・ホットスパー、CSKAモスクワと相対し3勝2分1敗の成績で首位通過を果たし、好調を維持していた。

 UCL決勝トーナメントに入っても勢いは止まらない。ジョゼップ・グアルディオラ監督率いるマンチェスター・シティと対戦し、1stレグは敵地で5-3の敗戦を喫したものの2ndレグでは3-1の快勝を収めアウェイゴールの差で、知将グアルディオラにとってUCL初のベスト16敗退を味合わせた。

 つづく準々決勝では爆破事故という不運に見舞われたボルシア・ドルトムントだったとしても縦に速い攻撃で、2戦合計6-3でドイツを代表する強豪を撃破する。その後の抽選会でモナコがユベントスと対戦することになるとは想像もしなかっただろう。

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 ユベントスも今シーズンのUCLで順風満帆な戦いで難敵を討ち果たしてきた。

 そのことを証明するように大会記録と並ぶ5試合連続無失点記録を達成。特筆すべきは攻撃サッカーを信奉するポルト、近年の攻撃サッカーの代名詞的な存在にあるバルセロナ戦の4試合が含まれていることだろう。

 バルセロナとの2試合をブッフォンは振り返り「決してカテナチオをしたわけではない。自分たちのプレーをした」と振り返っている。また「完璧な試合だった」と、普段は謙虚な守護神もこの2連戦を誇っている。

 ユベントスの絶対的な守護神であり、イタリア代表の正GKでもあるブッフォンはゴールを守ることを「守備陣全員がピッタリと息を合わせるハーモニーが必要なんだ」とその秘訣を話す。ユベントスの守備については「もう長いこと同じ時間を共にしてきたからね」と、笑顔をみせている。

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 モナコはユベントスとの対戦を前に今シーズンの公式戦で146得点をマークする絶好調のチームだった。ブッフォンがテレビ観戦し、予想した“ファイナリスト”を相手に敵地で開催された1stレグを見事シャットアウトしてみせた。

 この日もブッフォンの圧倒的な存在感が光り、0−2の完封勝利に貢献。この勝利でUCL大会新記録となる6試合連続無失点記録を達成。決勝進出を目指すユベントスは2ndレグをセリエAでも、今シーズンのUCLでも無敗を維持しているユベントス・スタジアムで迎えられる。

 そのことは決勝戦の地ウェールズ・カーディフのミレニアム・スタジアム行きのチケットをほぼ手中に収めた、といっても過言ではない。

 ブッフォンはかねてより「ユベントスのGKであることは、普通のGKとは少し意味合いが違う。看護師ではなく執刀医でなくてはならないんだ。出番は少ないが、出番が来たとき肉体的、精神的にも万全での状態で決定的な仕事をしなくてはならない」

 「そういう考えがユベントスでゴールを守るためには必要なんだ」とユベントスのGKの在り方を話している。そのことを証明するかのように、その気骨(きこつ)を物語るように、チームを牽引するブッフォンも来シーズンには40歳になる。

 残された時間は少ない。

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 カーディフ行きのチケットを手にするのはレアル・マドリーかアトレティコ・マドリーか分からない。同じように、ひょっとするとモナコかもしれない。ただ現時点で言えるのは、ユベントスがそのチケットを手にするにはブッフォンという唯一無二の存在が必要不可欠なのは明白だ。

 もし、はスポーツに禁句だが、1−1に終わったトリノダービーでブッフォンがピッチに立っていれば、押し込みながらもドローに終わっただろうか。ターンオーバーしたとはいえ“締まらない”試合展開に後方から叱咤しただろうし、ピッチに立っているだけでチームが自ずと締まるのは周知の事実だ。

 FWゴンサロ・イグアインの一発でモナコとの2ndレグを悪い流れで迎えることを避けられたが、これまでワールドカップを含む18個ものタイトルを獲得したブッフォンは未だ手にしていないタイトル、「UCLを制覇して思い切りお祝いしたい」と話している。

 トリノダービーに引き分けたことにより、UCLのためのターンオーバーは失敗したとも言えるし、成功したとも言える。だが、モナコ戦でブッフォンがユベントス・スタジアムのピッチに立ったとき「お祝い」にまた一歩近づくだけの存在感を放ってくれるはずだ。

 ブッフォンは今から16年前の2001年にユベントスに入団。16シーズンもの長い間ビアンコネーロのゴールを守りつづけてきた偉大なる守護神にはGKとしての能力もさることながら、精神的にチームを支える絶大な求心力がある。

 特筆すべきは39歳になった現在でも圧倒的な存在感でそこに立ち、相手に恐れられ、味方には絶対的な安心感を与えていることだろう。

 著者/Juventus Journal 編集部 山口 努

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コメント

*コメントは全て承認制です。確認にお時間を頂くことも御座いますがご了承ください。
  • いつも素晴らしいコラム、ありがとうございます!
    85年から長くファンでありますが、山口さんのような情熱をもった方のサイトを見つけることができ、
    たいへん喜んでおります。
    95-96の喜び、96-97、97-98、02-03、14-15の悲しみは忘れていません。
    最近、MijatovicはJuventusは決勝でよく負けると言っているようですが、今回はこそはみんなで喜びを共有したいと思っています。
    BuffonとNedvedにビッグイヤーを!

    • pipeさん
      ありがとうございます!
      僕はあの決勝でのミヤトビッチのゴールは未だにオフサイドだと思っております(笑)
      ユベントスがファイナリストになった場合、レアルマドリーとの対戦が濃厚ですので、あのときのリベンジをする絶好の機会ですね!
      黙らせましょう(笑)

  • ブッフォンの記事は読んでるだけで胸にグッとくる物がある。
    コメントなのか、内容なのかわからないけど何か心に来るものがあるよね。

  • ブッフォンが嫌いな人がいるのでしょうか?
    ユベントスにとっても、アッズーリにとっても、唯一無二の存在ですね。今年はブッフォンもユベントスも調子が良く、ビッグイヤーを狙えますね。39歳とは思えない、プレーですし傍から見ているとあと、3年はいけそうですが!
    ブッフォンとデル・ピエロはユベントスのレジェンドですし、ブッフォンは引退後もユベントスのために働いてほしいですね。

    • ユリさん
      いつもコメントありがとうございます!
      今シーズンこそはやってくれると思います。
      ブッフォンのフロント入りは期待したいですね!

  • ブッフォンの頼もしさは格別です
    モナコ2ndレグでも無失点で抑えて欲しい
    後、今シーズンはクラブでの怪我人が少ないのが幸いですね
    ここ何シーズンかは怪我人が大事な場面で出て苦労しましたから
    決勝まで行けたらキエッリーニは大事に大事に使って欲しい