コラム:今季の“行方”を占うUCLバイエルン戦のセカンドレグ | ユベントス・ジャーナル

コラム:今季の“行方”を占うUCLバイエルン戦のセカンドレグ

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 現在のサッカー界を牽引しているのは、バルサとバイエルンと言っても過言ではないはずだ。実際、前者はスペイン王者であり後者はドイツ王者である。その後方を走るのがレアル・マドリー、アトレティコ・マドリー、そしてイタリア王者ユベントスだと思う。

 著者/チェーザレ・ポレンギ

 

 国内リーグ連覇中のドイツ王者とイタリア王者が激突したUCL(欧州チャンピオンズリーグ)ベスト16のファーストレグでは、2-2のドローゲームに終わっている。私は、ユベントスが昨シーズン持っていた「運」をまだ呼びこむことができていない印象がある。

 まず前半に、MFアルトゥーロ・ビダルのPK疑惑が2つあった。1失点目はDFアンドレア・バルザーリのミスとはいえ、FWロベルト・レヴァンドフスキのポジションが明らかなオフサイドポジションだったこと。2失点目は、センターサークル付近でレオナルド・ボヌッチがレヴァンドフスキに引き倒されるがファールにはならず、その流れでボールを受けたポーランド人FWのアシストによって、アリエン・ロッベンの追加点が生まれている。

 その後はFWマリオ・マンジュキッチの攻守にわたる奮闘が光り、そこからFWパウロ・ディバラの得点とMFステファノ・ストゥラーロの同点弾を呼び込んでいる。ファーストレグは勝ってもおかしくはなかった。だからこそ、セカンドレグをネガティブに迎える必要はまったくない。

 

―― 世界屈指のバイエルンの攻撃陣を食い止めるには ――

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 バイエルンの国内リーグでの戦績をみると26戦21勝3分2敗。絶対王者に土をつけたのは、昨年12月の第15節ボルシア・メンヒェングラートバッハと今年3月の24節マインツのみである。

 特筆すべきは、2チームとも「5バック」でバイエルンと戦っていることだ。またスコアレスドローに終わった25節のボルシア・ドルトムントでも守備ラインに5人を配している。バイエルンは基本ポゼッションサッカーをし、「5トップ」で攻める。ところが5バックで守られると、なぜか攻めあぐね2敗している。

 だからこそ「5バック」を推したい。

 ユベントスの3バックは世界屈指の実力がある。ジョルジョ・キエッリーニが怪我から戦列復帰すれば問題ないが、もし欠場した場合、右からステファン・リヒトシュタイナー、ボヌッチ、アンドレア・バルザーリで臨みたい。ダニエレ・ルガーニもいるが、コッパ・イタリア準決勝のインテル戦で“青さ”を露呈したことを考えると、今回は使わないほうが良いと思う。才能はあるが、まだあまりにも若い。

 WBには右にフアン・クアドラード、左にはパトリス・エヴラではなくアレックス・サンドロを据えたい。前者は年齢的にスピードの衰えがみられ、縦に速いロッベンやドウグラス・コスタとは少々ミスマッチに思える。その反面、後者は攻撃のバリエーションが増えるし、最近ではセットプレーで輝きを放っている。

 

―― バイエルン戦の勝機 ――

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 すごく大切なのは“真ん中”に、うまくプレッシャーをかけること。先発が予想されるMFクラウディオ・マルキージオ、MFポール・ポグバ、MFサミ・ケディラだけでなく、ファーストレグ同様マンジュキッチからのプレスが鍵になる。

 ただ、バイエルンはハイプレスへの対応に慣れている選手が多いことから、むやみに獲りに行くとMFとDFの間にスペースが生まれ、そこを突かれる可能性が高いためある程度の持たせてからのほうが効果的だと思われる。

 前線で鍵を握るのはディバラのトラップに尽きる。ファーストレグ同様カウンター中心の攻撃が予想されるため、止めるのではなく、昨シーズンのFWカルロス・テベスのように常に相手ゴールに向かってドリブルを仕掛けて欲しい。また、バイエルンの最終ラインは実質2人で守っているからサイドチェンジがかなり有効になる。

 攻撃に移るときに注意したいのは中盤でのドリブルだ。バイエルン相手にこの選択はあまりにリスキーだ。実際、トリノでの1失点目はケディラのドリブルのミスから生まれているため極力避けたい。

 ファーストレグの60分はバイエルンが良かったが、最後の30分はユベントス優勢で終えたことを考えると、“完璧”な前半を戦いたい。仮にビハインドで終えると、かなり厳しいと状況に陥る可能性が高い。

 またジョゼップ・グアルディオラは、ときに奇策を用いる。昨シーズンの準決勝バルサ戦で、慣れ親しんだカンプ・ノウに凱旋するとハイラインのハイプレスを採用し0-3で返り討ちにされた過去は、ユベントスがセカンドレグに向けて抱く小さな期待だ。

 

―― バイエルン戦後の展望 ――

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 仮にバイエルンに勝てば、経済面もさることながらブランドイメージへの貢献度は計り知れないほど大きい。またUEFAポイントも大きく加算されセリエA躍進にも繋がるのは、凋落が叫ばれているカルチョにとって大きなインパクトを残せる。

 しかし、デメリットもある。

 国内リーグのナポリやローマといった強豪たちが欧州の舞台で姿を消したため、リーグ戦に集中できる。このことはユベントスにとって圧倒的不利だし、現在5連覇に対し楽観的な雰囲気があるけど、私は決してそうは思えない。スクデットに向けてはここからが本当の正念場。

 昨シーズンと今シーズンのユベントスを比べたときによく話題にされるのがテベス、ビダル、MFアンドレア・ピルロたちの退団が中心にあがる。しかし、ロッカールームで多大な影響があったMFシモーネ・ペペ、GKマルコ・ストラーリ、FWアレッサンドロ・マトリといった「コンテ・ボーイズ」たちが去ったのも同じくらい影響があったのも記しておきたい。

 今シーズンは「何も勝ち取れないのでは?」と、イタリアでも日本でも心配されていた。大幅な“リニューアル”をしたチームにしては、本当に素晴らしい躍進だと思う。仮にUCLで負けたとしても悪いシーズンではない。

 少し乱暴な言い方にはなるが、バイエルンのホームスタジアムで勝利するには、ちょっとした「運」が必要だ。私自身、ユベントスが勝つ確率は25%~30%くらいだと思っている。

 しかし、サッカーは何が起こるか分からない。信じられないミスをバイエルンがする場合もあるだろうし、ユベントスがしてしまう可能性もある。信じられないようなゴールで勝つときもあれば、それによって負ける場合もあるからこそフットボールは、世界中で愛されるスポーツなのだと思う。

 バイエルン戦はカルチョ復権のため、ユベントスに懸かる期待は大きい。そしてその勝利こそ、ビアンコネーロの真の復活を意味するものになるだろう。

著者/チェーザレ・ポレンギ @CesarePolenghi
編集/Juventus Journal 編集部 山口 努
構成/Juventus Journal 代表 @JJ

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