コラム:過ぎ去りし永遠の日々 | ページ 2 | ユベントス・ジャーナル

コラム:過ぎ去りし永遠の日々

image@Alessandro Del Piero Facebook

 当時は、ユベントスが誇る永遠のバンディエラの退団はまだ確定事項ではなかったが、筆者は「見たい」という一心でイタリア行きを決めた記憶がある。現在のGKジャンルイジ・ブッフォンのそれと同様である。

 それでもデル・ピエロがファン応対をしてくれるか否かは分からなかった。しかし、彼のFacebookでは大雪の日でも、雨の日でも、応対するその様子が投稿されていたため、期待を込めて待っていた。ヴィノーヴォでは予想以上に多くの選手がファン対応に応じてくれた。

 チームメイトたちも「カピターノが対応するならば」と意気込んだのは想像にむずかしくない。陽が傾き、少し寒くなり始めると、大歓声とともに永遠のバンディエラは現れた。そして選手としては一方的な期待を持っていたが、人間性の素晴らしさも示してくれたのは一生の思い出となっている。

 闘将コンテも毎日応対してくれた。だが、その一方で連日まったくファン対応をしてくれなかった選手たちも当然いた。それを悪く言うつもりはないが、皮肉なことに6年前、毎日のように応対してくれた選手たちは現在2人しか残っていない。

 MFクラウディオ・マルキージオとSBステファン・リヒトシュタイナーだけである。後者はこの日休養を与えられたのか、ヴィノーヴォ自体に訪れていなかったようだ。前者は、この日は愛車から降りてくることはなかった。

image@JUVENTUS JOURNAL

 この日、集まったユベンティーニに応対してくれたのはSBアレックス・サンドロ1人だけだった。選手の気分なのか、広報の指示によるものか、どのような経緯でファンサービスをするのかは分からない。

 たしかなことは、雨の日も雪の日も、太陽が照りつける暑い日もユベントス史上屈指のバンディエラはファンに応対してくれた。そして6年前は毎日のように応対してくれたのは確かな事実だ。

 現在の背番号「10」は、代理人である兄が運転するスモークの貼られた車から降りることなく去っていた。選手たち全員が去った夕方のヴィノーヴォ。春を忘れるほどの冷たい風。

 過ぎ去った6年前と現在のヴィノーヴォ。この場所も数年後にはプリマヴェーラの練習場となり、トップチームの練習場はアリアンツ・スタジアムの近隣になるようだ。そんなことを思い出しながら、バスを乗り継ぐほどの辺鄙(へんぴ)な場所を去った。

 よほどのことがない限り、もうこの場所を訪れることはないだろう。

 その2日後、6年前のユベントス・スタジアムからアリアンツ・スタジアムに名を変えたビアンコネーロのホームにウディネーゼを迎えた。結果はFWパウロ・ディバラのドッピエッタにより2-0の快勝で試合を終えた。

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