コラム:名将の予言(前編) | ユベントス・ジャーナル

コラム:名将の予言(前編)

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 かつてユベントスに2度目の欧州制覇と世界一をもたらし、2006年ドイツワールドカップではイタリア代表を世界王者に導いた名将マルチェロ・リッピ氏は、元日本代表監督の岡田武史氏に、当時は無名監督だったイタリア人を紹介したという。

 「こいつはすごい監督になる」

 リッピ氏は岡田氏にそう伝えたそうだ。無名監督は2005年からセリエC1、2007年にはサッスオーロの監督に招聘され、優勝を果たしセリエB昇格を成し遂げている。

 その功績が認められ、2008/09シーズンにはセリエBで監督未経験ながらセリエAのカリアリの監督に就任。シーズン中5連敗を喫し解任も囁かれたが、現在でもプロビンチャで活躍するいぶし銀たちをまとめ上げ9位という成績でフィニッシュ。

 この功績が認められ、年間最優秀監督に贈られる「パンキーナ・ドーロ賞」を受賞。その後2010/11シーズンからACミランの監督に就任すると、2003/04シーズン以来となるスクデットをロッソネロにもたらしている。

 リッピ氏をもってして「すごい監督になる」と言わしめた無名監督ことマッシミリアーノ・アッレグリは、名将の予言通りのキャリアを積んだのち2014/15シーズンからユベントスを率い、今や世界屈指の監督に数えられている。

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 今シーズン開幕前、ごたついた移籍市場を考慮した上での現在の成績は及第点を大きく上回るものと評価しても良いのではないだろうか。たしかにスーペルコッパ・イタリアーナでは終了間際に決勝点を奪われ2-3で敗れた。

 UEFAチャンピオンズリーグ(CL)の舞台において、主力を欠いたとはいえバルセロナにアウェイで0-3の完敗を喫した。そして先日、難敵アタランタに2点のリードを奪いながら同点に追いつかれ勝ち点「1」獲得に留まったとしても、開幕6連勝は評価の対象としては上出来ではないだろうか。

 欧州の舞台でアタランタの躍進はめざましく、エバートンに勝利し、アウェイでリヨンに引き分けている。セリエAの舞台ではローマ、ナポリといった強豪クラブにこそ開幕2連敗を喫したものの、それから無傷の2勝3分はすでにプロビンチャの域を超えている、と言っても過言ではない。

 そのチームの柱となっているSBとMFを遜色なくこなすレオナルド・スピナッツォーラと、ユベントス相手に得点を決めたDFマッティア・カルダーラの両名が来シーズンよりビアンコネーロのユニフォームに袖を通すことを考えると胸を膨らませるティフォージも少なくないはずだ。

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 さてナショナルマッチウィークが明けると、セリエAでは難敵ラツィオをホームに迎え、その後CLのグループステージ突破の行方を左右するスポルティングCPとの2連戦が控えている。

 昨シーズンに比べ、選手層が厚くなった現有戦力には申し分ないが、故障者の数がやはり気にはなる。だが、怪我の功名のようにMFロドリゴ・ベンタンクールが弱冠20歳ながらすっかりチームにフィットしているのは思わぬ福音となっている。

 この若きウルグアイ代表に関しては先日ニュース(ボカ・ジュニアーズ監督「ベンタンクールは南米のポグバだ」)でも触れたが、多額の移籍金を残してマンチェスター・ユナイテッドに移籍したMFポール・ポグバのようになれるか、今シーズンは多くのティフォージの好奇心を誘うものとなるだろう。

 開幕から低調なパフォーマンスが目立っていたFWゴンサロ・イグアインもアッレグリの巧みな“手綱さばき”の効果があり、CLを含め2試合連続で得点を記録している。今シーズンも背番号「9」の力が、今後のチームに大きな進化をもたらしてくれる存在になることを期待せずにはいられない。

 著者/Juventus Journal 編集部 山口 努

 >>コラム:名将の予言(後編)

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コメント

*コメントは全て承認制です。確認にお時間を頂くことも御座いますがご了承ください。
  • アッレグリ監督は最初から見抜かれていたのね。
    チーム編成来年はもっと楽しみです

  • ピアツァ、ケディラ、マルキージオ、ヘーヴェデス、デシリオなどが戻って来てようやく戦力が揃うのでマンジュキッチ、バルザーリの怪我は避けて欲しいですね。

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